金属造形作家・柴田望さんが久しぶりに登場です。
柴田さんは、一枚の金属板を金槌で丹念に叩き、立体的な形を生み出す「鍛金(たんきん)」という技法を用いて、多彩な作品を制作されています。その手から生まれるのは、独創的なオブジェから、時計、鍋、酒器といった日常に寄り添う品々まで、金属の新たな可能性を感じさせるものばかりです。
会場でひときわ強い存在感を放つのが、昆虫や海洋生物などをモチーフにしたオブジェ作品です。どこか懐かしい未来を思わせる「スチームパンク」の要素が織り込まれたその姿は、一度見たら忘れられないほどのインパクトを放ちます。
驚くべきは、作品を構成する極小のネジに至るまで、すべて柴田さん自身の手作りであること。細部にまで貫かれたこだわりと超絶技巧が、作品に生命感と物語を吹き込んでいます。ぜひ、その緻密な世界観を間近でご覧ください。
オブジェだけでなく、時計や花器といった暮らしの道具もまた、柴田さんの手にかかるとアート作品のような佇まいを見せます。
特に「おりん」は、鍛金ならではの美しい鎚目(つちめ)の跡が魅力です。均一に、そしてリズミカルに叩き上げられたフォルムは、見た目の美しさはもちろん、澄み渡るような美しい音色を奏でます。
これからの季節にぜひお手に取っていただきたいのが、涼やかな錫(すず)の器です。
古くから「錫の器に入れるとお酒の味がまろやかになる」と言われており、いつもの晩酌をより上質な時間へと変えてくれることでしょう。ビールを注げば、カップは驚くほど冷たくなり、最後の一口まで格別な味わいを楽しめます。
その他にも、金属の持つ硬質な質感と柔らかな表情を巧みに引き出した、美しい作品が多数届いております。
柴田望さんが生み出す、幻想的でありながらも温かみのある金属の世界を、この機会にぜひご堪能ください。
開催期間:2025年7月24日(木)~7月29日(火)
10:00~17:30 最終日16:30まで
お問い合わせはギャラリーまで TEL:0551-38-3395