陶芸家・荒木愛信さんの個展「土の唄」
ロクロを回し、土と向き合う中で、時に自身の意思を超えて、まるで土が唄い出すように感じることがあるという荒木さん。
今回の展示では、灯り香炉や土釜といった新作から、おなじみの鎬(しのぎ)や焼き締めの器まで、幅広い作品が並びます。訪れる方々の感性に響く「唄」となることを願って、一つひとつ丁寧に作られた器たちをどうぞご堪能ください。
荒木さんの作品に多く見られる「鎬文(しのぎもん)」は、ロクロや手びねりで形作った土台を、ヘラで丁寧に削り出して生まれる美しい刻み模様です。特に茶碗や湯呑みなどでよく用いられるこの技法は、溝ができることで釉薬の厚みに変化が生まれ、模様の美しさを一層引き立てます。
鎬の器は見た目だけでなく、使いやすさも抜群。表面の凹凸が手に心地よく馴染み、滑りにくいだけでなく、器自体が軽くなるため、驚くほど持ちやすいんです。シンプルでスタイリッシュ、そして飽きのこないデザインは、和洋中どんな料理にもしっくり馴染み、毎日の食卓で手放せなくなること間違いなしですよ。
荒木さんが特にこだわっているのが、軽くて持ちやすいユニバーサルデザインです。特にマグカップは、使う人の手に合わせて、左手用、右手用、そして二本指用と、取っ手のバリエーションが豊富に揃っています。ぜひ会場で実際に握り比べて、その卓越した使いやすさを実感してみてください。
「用の美」を追求した荒木さんの器展。八ヶ岳の爽やかな風が吹くこの季節、ゆったりとしたおうち時間を彩るお気に入りの器を見つけに、ぜひお越しください。心よりお待ちしております。
開催期間:2025年6月19日(木)~6月24日(火)
10:00~17:30 最終日16:30まで
お問い合わせはギャラリーまで TEL:0551-38-3395