パブロ・ピカソ(1881-1973)とマルク・シャガール(1887-1985)。20世紀フランスを代表する芸術家二人。
同時開催のガラス展、尾崎稔成さんも現代パリで活躍する、世界にも認められたガラス作家の一人です。
スペイン、ロシア、日本と生まれ故郷を離れ遠くパリで活動した点も三人の共通点といえます。
ピカソとシャガールは年代を同じくした著名な作家二人ですが、親密な関係があったとは言えません。
いわば天才で人間的に奔放なピカソと、敬虔なユダヤ教徒であったシャガールは、むしろお互いに相手をあまり認めようとしなかったようです。
しかし、同時期に生き、二回の世界大戦を越えた二人の描く作品には共通した主題があります。
「愛」と「平和」。
一言に言ってしまうと広く、凡庸で耳障りのいい響きになってしまいますが、人間の内面の深いところを手段を変え、様々な形で描き出そうとする二人の制作を並べ見ることで、それぞれが目指すテーマが見えてきます。
今回は版画を中心に貴重な作品を30余点展示しています。
増版されず、世界に250点しかないリトグラフなどの貴重なシャガール作品や、段ボールに描かれたピカソの水彩など、人気シリーズもお目見え。
世界で評価される巨匠の絵画は、圧倒されるパワーがあります。
力強く、鮮やかな生粋のアートを間近でご覧いただけます。
尾崎稔成さんは「世界のガラス作家100人」にも選ばれた、山梨を代表するガラス作家です。
有機的で踊るような吹きガラスのラインはそこに命が宿っているよう。
身近に故人の骨を美しく安置する為の小さな骨壺など、此方も「愛」を形にした作品といえます。
クラゲや海洋生物を中心としたモチーフを覗き込むようなオーナメントや、可愛らしい箸置き、アクセサリーなどの小物も。
これから緑が青々と茂り出し、小鳥も巣作りに飛び回る、「命」と「愛」に溢れる森の中、二週間に渡る濃密で贅沢な展示です。
静かな森の中で触れる、心揺さぶられるアート。じっくりとお楽しみください。
開催期間:2023年4月13日(木)~4月25日(火)
10:00~17:30 最終日16:30まで 4/19(水)定休日
お問い合わせはステージまで TEL:0551-38-3395