2023.08.31

堀順子 陶芸 大川みゆき 版画 

9/7~9/12

光彩の海原 An Ocean of Luster と題しまして、女性作家二人展が始まりました。

いのちを描き出す腐食銅版画と陶芸。
金属と平面表現、土と立体表現。
大きく違う分野でありながら、お二人の展示には心地良い一体感があります。

女性的な優雅さの中に息衝く力強さがあり、
ぐっと紙や釉薬のその奥まで覗き込んでみたくなる魅力がほとばしっています。
 

制作にも時間を要する腐食銅版画。
大川さんは摺りの際に生まれるインクのくすみもまた作品の一つとして取り入れられています。
濃い鮮やかなラインから、掠れてわずかに褪せたうすらぎ。
植物が花開き、枯れていく、命の移り変わりのテーマにもしっくりと噛み合って、
モチーフから感じたインスピレーションと言葉と寄り添い、静かな時間と空間を生み出します。
 

堀順子さん(旧作家名:山本順子さん)の陶器は、表面に様々な顔料、化粧土を何重にも重ねて作られています。
沢山の工程を重ねることで生まれる深い色合い、積み重ねられたテクスチャーの面白さで飽きさせません。
蒸発寸前まで焼いた銀が粒となって輝いています。
今回は展示会タイトルにも合わせて、悠久の時を経た素材達とのきらめくコラボジュエリーも沢山お持ちいただきました。
 


自然、時間、音、影、空間。枯れて花開く、誰かの息遣い。
ひとことに命といってもその表現は様々。
腐食銅版画による紙面に見える時間経過や、土と火が生み出した陶器のテクスチャから、
私たちも何気なく触れている日常を、一歩踏み込んで切り取ったような静かな熱を感じます。

 

開催期間:2023年9月7日(木)~9月12日(火)
10:00~17:30 最終日16:30まで
お問い合わせはステージまで TEL:0551-38-3395